タイマイの甲羅は、必ず13枚で構成されており、違う色を帯びた斑を張り合わせて、
この世にまたとない美しいバラフを作り上げていきます。熱で張り合わせて削ったり
磨いたりはもちろん、気候や温度によって仕上がりが変わるため、
職人の腕がものをいうのです。
加工し易いので工芸品や装飾品の材料として重用されてきた。
古くは正倉院にも眼鏡を収められているほか、職人の技術が向上した江戸時代には眼鏡のフレーム(徳川家康の眼鏡が有名)、
櫛、かんざし、帯留め、ブローチなどに加工されて普及した。現在ではこうした装飾品の多くはプラスチック素材に変わったが、
昔ながらの「鼈甲柄」を模していることが多い。鼈甲自体の手入れに関しては汗
や整髪料には弱いので、眼鏡のフレームなどは空拭きで磨く必要がある。
なお、鼈甲は人の体温によって微妙に変形する性質があることから、
眼鏡の鼻当ての部分に使用すると掛けた人の形にフィットする。